
こんにちは!インターンの平林です。
前回の記事では、「カーボンクエスト」という環境学習プログラムについて紹介しました。
北海道大学の研究者によって立ち上げられたスタートアップのエゾリンク(EzoLin-K)さんが開発したこのプログラムは、『参加者自身が“炭素分子”になり、地球上をめぐる』すごろく形式のゲームを通して、炭素循環や気候変動への理解を深める体験型の学習コンテンツです。
今回の記事では、そのカーボンクエストをどうスマートフォンアプリとして展開し、円山動物園で開催された実際のイベントでどのように活用されたのかをご紹介します。
イベント当日の様子や、現場で起こったトラブル、そして我々インターンがどのようにこのプロジェクトに関わったのかなど、リアルな舞台裏をお伝えします!
実施概要
イベントは北海道札幌市の円山動物園で2025年4月13日に開催されました。今回の開催に至った背景には、動物園側もカーボンニュートラルへの取り組みを進めているという共通の思いがありました。
開園前から札幌のインターンメンバーが園内を巡回し、QRコードの設置や最終チェックを行いました。開園後は、来園者がアプリをスムーズに利用できるよう、園内を巡ってサポートを行いました。
アプリの概要と参加者の体験フロー
動物園への来園者には入園時にフライヤーが配られており、そこに記載されたQRコードを読み取ることでゲームがスタートします。
アプリに表示される園内のマップには15か所のステーションがあり、その中から、ランダムで次の行き先が提示されます。参加者はそこに向かい、その地点にあるQRコードをまた読み取ります。環境問題に関するクイズが出題され、正解するとスタンプを1つ獲得できます。

また、炭素の循環マップもアプリには搭載されており、参加者全員の移動履歴がリアルタイムで集約されてマップに可視化されていきます。通過頻度が高い経路ほど矢印が太く表示されていき、炭素が実際の自然環境でどこを循環しやすいのかというのが一目でわかるようになっています。
また、ステーションを巡ってスタンプを4つ以上集めると景品抽選に参加できるようになっており、学びと楽しみを両立させる工夫が施されていました。

イベント中の課題と対応策
もちろん、すべてがスムーズにいったわけではありません。QRコードの読み取りが難しい箇所があったほか、Android端末の一部で、ブラウザからアプリが正しく開けないという不具合が発生しました。その都度、巡回中のインターンがすぐに駆けつけて対応しました。
こうしたトラブルにも迅速に対応できたのは、事前にスタッフとのLINEグループで定期的に情報共有を行っていたおかげでした。トラブル発生時にはすぐに連絡が回り、最も近くにいるスタッフが対応する体制が整っていました。このような現場での柔軟な動きがイベント成功の大きな鍵となりました。

参加者の反応と成果
今回のイベントの成功には、インターンチームもしっかりと貢献できたと自負しています!広報面では、札幌のインターン生たちがイベント運用(イベント開催場所の確保や交渉)、SNS運用、ポスターフライヤーの作成、メディア対応などを担当し、イベントの告知や集客に尽力。また、SNSフォローで抽選回数が増えるなど、参加者の関心を高める工夫も行われました。こうした取り組みにより、SNSのフォロワー数も実際に大きく増加しました。
イベント後のアンケートでは、
「いつもよりたくさんの動物を見て回ることができた」
「環境のことを楽しく学べた」
「動物園がカーボンニュートラルに向けて取り組んでいることを知ることができた」
といった声が多く寄せられ、参加者の満足度の高さがうかがえました。
景品抽選コーナーは長い列が絶えないほどの盛況で、運営スタッフも大忙しでした。単なるゲームではなく、学びと行動を結びつける体験として、多くの方の心に残るイベントとなりました。
当日は、予想以上に多くの来園者が参加しました。家族連れ、子どもたち、カップルなど、年齢や背景もさまざま。アプリ利用者のうち、97.8%の方が「次回も参加したい」と回答しており、非常に高い満足度を得たイベントとなりました。